時間
時間(じかん)は、物事の変化を認識するための概念である。芸術、哲学、自然科学、心理学などの重要なテーマとなっている。それぞれの分野で異なった理解のしかたがある。
日常使われる時間
本項目で説明する時間という言葉は、現代の日常においては、互いに似てはいるし強い関連もあるが厳密には異なるいくつかの意味で使われている。
- 時刻と時刻の間、またはその長さ。
- 時刻。つまり、時の流れの中の一点のこと
- 時(とき)そのもの。つまり、過去・現在・未来と流れてゆくものであり、哲学的表現では、空間と共に、認識のまたは物体界の成立のための最も基本的で基礎的な形式をなすものであり、いっさいの出来事がそこで生起する枠のように考えられているもの。
類義語の「時間」「時刻」「時(とき)」の第一の意味として、「時間」には上記1を、「時刻」には上記2を、「時(とき)」には上記3を挙げている辞書が多い。特に、時刻の意味で時間という言葉を用いるのは、日常語、ないし俗語とする辞書もある。日本語と英語で1の意味の時間を示す表現には例えば、5時間(five hours)、2日(2日間、two days)、4ヶ月(four months)などがあり、2の意味の時間(時刻)を示す表現には例えば、5時(five O'clock)、2日(the second day)、4月(April)などがあり、この二つの意味を区別して表現することが可能である。
1の意味の時間、すなわち時の長さや時間間隔や期間を定める量は、古来より天体の動きをもとに計られ、やがて様々な時計により計られるようになり、現在では国際単位系における基本物理量のひとつとされて世界的に統一された単位が定義され、社会生活や産業活動においてよく使われている。
2の意味の時間すなわち時刻は、基準となる時刻から計った1の意味の時間の長さにより、数値的に表現できる。
3の意味の時間すなわち時(とき)そのものは、日常および哲学においては流れとしてとらえられることが多い。例えば時(とき)とは、過去から未来に絶えず移り流れるものであり、過去・現在・未来と連続して流れ移ってゆくと考えられ、過去・現在・未来と連続して永久に流れてゆくものであり、過去から未来へと限りなく流れすぎてゆくものである、とされる。流れに速さと向きがあるように、時間にも速さと向きを想定することができ、それぞれ節に分けて解説する。また3の意味の時間をひとつの直線(時間軸)のように固定されたものと捉えれば、我々の方が時間軸に沿って過去から未来へ移動するという捉え方もできる。
現在、一般に広く使われている時間の単位としては、秒、分、時間、日、週、月、年、などがある。(他にも、10年紀、千年紀などが使われることもある)。単位系の違いや測定精度の進歩については項目「時刻」に詳しい記事がある。
歴史的に見ると、これらの時間単位は、天体が見せる周期的な現象(現在の視点で見れば天体の運動)をもとにして決められてきた。例えば、日没の周期や日の出の周期(太陽の見かけの動き、現在で言うところの地球の自転)を元に1日という単位が決められ、太陽の見かけの高度が変化する周期(現在の公転)で1年が決められ、月の満ち欠け(現在で言うところの、月の公転)で(太陰暦での)1ヶ月が決められた。現在でも、おおむねその枠組みは暦として生き続けている。
後に、長さの決まった振り子の周期が一定であることが発見され、それを用いた時計が開発され、天体に依存しない時間の測定が発達することになった。
また、その時計も、より短い周期で振動するものを採用することで精度を上げる技術革新が続き、技術革新の毎に、以前の時間の計り方は不正確だった、と見なされるようなことが長年に渡り続いた。そしてついには、原子の発する電磁波の周波数によって時間を決定する事となった。これが原子時計である。
現代の国際単位系では時間の基本単位として秒を定義しており、2006年現在では、「1秒はセシウム133原子(133Cs)の基底状態にある二つの超微細準位間の遷移に対応する放射の 9,192,631,770(約100億)周期にかかる時間」と定義されている。